スパイシーな彼~あなたとの甘く優しい瞬間
偏った愛情
祐輝は晴香の実家を両親と帰ってから自宅に戻るまで、母親の愚痴に半ば、うんざりしていた。


運転をしなければいけないので、酒を飲んでいるわけでもなく、食べものも、ろくに手をつけず、晴香とまともに話すこともできなかった苛立ちが、強くなっていた。


「祐輝、あんたが何もなく晴香ちゃんを突き飛ばしたなんて、母さん信じられないの。何があったのか話してくれないかい?」


「だから、さっき説明した通りだって…」


「でも、晴香ちゃんの態度、いや、あの母さんの態度も気にくわないね~晴香ちゃんは、うちの嫁だよ。お互い、一人っ子だから、かばうのもわかるけど、何であの母さんに仕切られなきゃいけないのかね~」


「母さん、落ち着きなさい。晴香ちゃんだって、他人の母さんにみてもらうより、実母のほうか、気兼ねなくていいだろう。ケガさせたのは祐輝なんだし…」
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