スパイシーな彼~あなたとの甘く優しい瞬間
勇気
晴香は、祐輝の胸の中で、子供のような寝顔で寝ていた。


この数日、休まることのなかった日々に疲れていたのだろう…


そんな晴香の寝顔をみながら、憲吾は思っていた。


これから一度もどらなければいけない、祐輝との生活の中で、晴香が傷つくようなことはしてほしくない…


もう…晴香を愛していないなら、晴香を汚すようなことだけはしてほしくない…


大切な晴香を守れるなら、全てを壊しても、どんな状況にでも、飛び込んでいく気持ちになっていた。


人を愛するということが、こんなにも切なくて、守ってあげたいと思う強さが、何にも変えられない勇気のようなものに変わるのを、憲吾は実感していた。


晴香が、目を覚ます。

まだ眠そうにしながら、憲吾を見て


「寝ちゃった~」


「眠れたかい?指痛まない?」


「痛くないよ~」


しばらくの間、憲吾は晴香の頭をなでていた。
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