スパイシーな彼~あなたとの甘く優しい瞬間
両親の愛情
来た時と同じに、後部座席に晴香を寝かせると、助手席に座った晴香の母は、薬の説明を見ていた。


シップ、安定剤、睡眠薬…そして過呼吸になった場合の紙袋のような形のした袋じょうのもの。


ふっー


元気のない晴香の母の顔を見て憲吾は言った。


「晴香ママ、大丈夫ですよ!すぐ良くなりますよ。先生も一時的なことって言ってたし…」


「あ…あぁごめんね…何だか、あんな男と、何で結婚させちゃったかな~って…」


「晴香ママ、晴香にそれ言ったら、きっと怒りますよ!晴香は世利ちゃんのこと大切に思っていたから、結婚した…たまたまご主人はあんな人だったけど、結婚を後悔させたら、世利ちゃんまで否定することになる…晴香は絶対後悔なんてしてませんよ。これから新しい人生考えていけばいいんだから」


「そうね…ありがとう憲吾」


母の瞳から、涙がこぼれていた。
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