スパイシーな彼~あなたとの甘く優しい瞬間
本心
憲吾は、あたしが泣き止むまで肩を抱きながら、子供をあやすように肩をトントンとしてくれる…


小さな頃と変わらない優しさが、晴香の高ぶっていた感情を静めてくれていた。


「憲吾…あたし祐輝を愛していない。祐輝は自己満足であたしを求めてきた。憲吾に抱かれたあの日から、誰にも触れられたくなかったのに、無理矢理ただ自分の欲求を満たして…憲吾との約束だったから、黙って我慢したんだよ。でも…今日も祐輝はあたしを求めている様子で…耐えられなくなって…」


憲吾は泣きながら話す晴香の辛さを感じていた。


それと同時に、晴香の夫に怒りのような感情が芽生えている。


夫婦という間に、自分は入りこめないのはわかっている…


でも、大切な晴香を傷付けるなんて…どんな人でも許せなかった。
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