スパイシーな彼~あなたとの甘く優しい瞬間
まだ明け方だというのに、ホテル前の道路には車が走る音がしていた。


「晴香、俺はいいけど…晴香顔見られたらまずいでしょう。とりあえず、頭下げて」


「見られたらやっぱりまずいかな…?」


少し走り出した車の中で晴香が言う。


「もし誰かに見られて、このことがわかったら俺はいいよ。でも晴香が困るんじゃない?」


一瞬憲吾の言葉が理解できなかった。


俺はいいよって、あたしと一緒にいるところ見られても憲吾は平気?


フタリでいるところ見られたら、まずいのは憲吾もあたしも同じはず…


どんな気持ちで憲吾は言ったのかな?


でも聞くことはできなかった。


違う返事が返ってきたらショックだし…


ただ自分が、憲吾の言った言葉の意味を取り違えてるだけかもしれないし…


晴香も隠れはしなかった。


どこかで、憲吾が自分の彼氏だから…そんな気持ちもあって…


いつものコンビニの前を通り、晴香の実家近くまでの道。


またしばらくの別れの時間…
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