とある青年の懺悔

紅茶嫌いのお人形

２００４年。４月。


俺、高橋樹紀(ｼｹﾞﾉﾘ)は当時１４歳だった。


受験生に成り立てで、さあこれからがんばろうという気持ちに入っていく年だ。


俺がエスカレーター式の私立の中学校に通っていたなら、この時期にこんな緊張感を感じることはなかったのだろう。


しかし俺は富豪と言われる高橋家の長男でありながら、公立の中学校に通っていた。


小学校の受験も、中学校の受験も、俺は受けなかった。


俺自身受けるのがめんどくさかったし、父も母も別に強制はしなかったから、今まで受験というものをかわしてきた。


だが、高校に進学、と言われるとさすがに受験はかわせない。


勉強は自慢じゃないができる方だから、今の成績をキープできれば入試には差し支えないだろう。


だが、そこに面接まで絡んでくるとは…。コミュニケーションが一番苦手なんだ、俺は。