彼女はきっと振り向かない



「・・・俺もサボりてえくらいだわ」


廉は切なげに校舎の外に目をやった。

ああ、こいつも何か悩んでるのか。



「今日、うちで飯食ってけば?」


「そういや最近、響んち顔出してねえな」


「麻央(まお)がさあ、廉来ないって寂しがってるぞ」


ちなみに、麻央は俺の姉。廉の初恋の相手らしい・・・。


「麻央ちゃん帰ってきてんの?」


「そうそう。結局、一人暮らし寂しくて戻ってきたよ」


「あーさすがブラコン」



「・・・で、来んの?来ねえの?」



「・・・行く」



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