僕とあの子ともう1人
「南虎、今日はもう帰ろう。」
君は、どうしてそんなに優しくするの?
──────今日だけなの?
でも迷わず僕は言う。
『あー…、そうするよ。』
「一緒に帰る」
そして僕等は、家に帰る。
一体この先どうなってしまうのだろう。
そんなこと僕自身で決めることなのに。
「南虎…、大丈夫?
大丈夫なわけないよね…。」
祢緒は僕の顔をじっと見ながら聞いた。
僕は君の笑顔さえ見れたら幸せなんだ。
でも僕は死んで償わなければならない。
南雄が死んでから今まで、どれだけ自分を苦しめていたかなんて誰も知らないだろう。
はは、知るわけもないか。
僕はそう思った。