シュガー*エッセンス(加筆修正中)



その声に無条件に惹きつけられるように、声の持ち主を探すあたし。


教卓の前でキョロキョロしていたら、…1人の男の子とパチッと目があった。



「…可愛い顔してるからさ。もっと“スイーツ”とか、女の子らしいこと言うのかと思った。」



そう彼が言った瞬間、それを筆頭にザワザワと笑いが零れて。


一瞬で、空気を変えてしまうような人。

そんな彼は、自分もクラスと一緒になって笑ったあと、もう一度あたしだけを見て。
あたしだけに、ニコッて微笑む。



『……っ』



胸がギュッとつかまれたような気分だった。

爽やかな笑顔に、曇りない真っ直ぐな目。

思わず目を逸らしたくなったけど、…こんなのあたしらしくないから、あたしも可愛く微笑み返す。



< 40 / 283 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop