あなたたちは私の宝物
年が明けて、新しい1年が始まった

私とマサは私の実家に向かっていた

あの日以来の実家

でもあの時とは違った

ママは温かい笑顔で私達を受け入れてくれた

だいぶ大きくなった私のお腹を見つめて
優しい笑顔を見せた

弟も久しぶりに私の顔を見て、嬉しそうに
お姉ちゃんと言って笑顔を見せていた

これを待っていたんだ

こんな空気を待っていた

マサはきちんと正座してママに挨拶をしていた

ママはよろしくお願いしますと頭を下げた

嬉しくて、涙が出る

『入籍はいつ?』

食事をしながら、ママが口を開いた

『1月11日の1が並ぶ日にしようかなって』

『それは、覚えやすくていいかもしれないね』

『それでね、保護者の承諾の欄があるから
そこを書いて欲しいの』

私はもらってあった
婚姻届をテーブルに差し出した

そう

ずっと前から準備をしていたんだ

マサの名前も私の名前ももう記入してあった

ママは保護者の欄に綺麗な字で書いてくれた

これで、後は市役所に提出するだけだった

素敵なお正月になった

ママが笑っていた

マサも笑っていた

外は寒くて凍えそうになっていたけれど
心の中は温かかった
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