あなたたちは私の宝物
死ぬほどの痛み
陣痛促進剤を飲み始める

すぐに効果は出てこない

まずはマサの携帯に電話をかけて促進剤を飲み始めた事を伝える

しばらくしてから、マサが病院に到着

単純に考えてたみたいで、促進剤を飲んだらすぐに陣痛が始まると思い込んでいたマサは、陣痛室でいつもと変わらないあたしの表情を見て、がっかりしている

『もっと苦しんでると思ってたけど』

『まだそういう段階じゃないよ』

気の抜けたマサの顔を見ていると、笑いがこみあげてきた

1時間おきに飲む促進剤

それでも、陣痛の気配は全くなかった

夕方になって、ママも病院に来てくれた

それでもあたしはいつも通りのままだった

食べれるうちに食べておこうと、出された夕飯も全部食べた

食べ終わったあたりから、少しずつお腹に違和感が始まってきた

そろそろかもねと、看護士さんが言い始めた

違和感はみるみるうちに、痛みへと変わってきていた

お腹に機械をつけて、周りには赤ちゃんの心音も鮮明に聞こえる

最初は10分間隔だった痛みが8分になり、6分になる

耐えられる痛みが、どんどん強くなっていって、耐え難くなっていく

『内診しますね』

看護士さんが笑顔でやってくる

あたしはそろそろだろうと思っているのに、まだまだ5センチくらいかなーと言ってまた部屋から出て行ってしまう

あたしの痛みはどんどん増していく

その頃にマサのお母さんも病院にやってきた
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