あなたたちは私の宝物
その週末の日曜日

私とマサはマサの両親と私の家へと向かった

『ただいま』

リビングに居たママに
マサの両親が来てる事を話しただけで
ママはとても不機嫌になった

マサの両親と私の母は向かい合って座って
会話も交わさずにいた

『私、結婚したいの』

『まだ18で何言うの』

『子供が出来たの』

ママは黙ってしまった

それからママは口を開こうとしなかった

マサの両親が謝って説得しようとしたけど
ママは納得しなかった

何度話しても何も話は進展しなかった

極めつけにママは言った

『子供は堕ろします』

私は辛くてたまらなくなってきてしまった

そして何よりマサが何も言ってくれない

一言も話してくれない

ずっと黙ってるだけ

何か言って欲しいのに

『こちらで面倒見て生活しますから』

そう言ったのはマサのお父さんだったんだ

そして先に立ったのはマサのお母さんだった

私は促されるように立ち上がっていた

ママは悲しそうな目で私を見つめていた

弟は部屋から出てくる気配もなかった

リビングに居るママをそのまま残して
その場から立ち去った

その間もマサは何も言わないままだった

車の中もずっと沈黙が流れ続けていた
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