空しか、見えない
「Nozomu, Are you OK?」

 目を開けると、そこに懐かしい顔があった。ルーが、息子を抱いて、こちらを覗き込んでいた。

「俺、一体、Here is where?」

 起き上がろうとするが、腹に力が入らず、自由にならない。見慣れないブルーの天井と壁だ。緑の病衣を着せられている。手には点滴のチューブもつながれている。

「Don’t worry,Nozomu.あなたは、2日間丸ごと眠っていた。うちの坊やより、たくさん眠ったのよ」

 のぞむは、自分の状況を理解し始めた。ルーは泣いているような笑顔で、安物の指輪をはめた手のひらで、のぞむの額を拭った。
< 400 / 700 >

この作品をシェア

pagetop