空しか、見えない
「わからないよ。いま確かなのは、そういう話をする心境じゃないってことだけ」

「OK、わかった。じゃあ、切るよ」

 やっぱり一方的に、通話は切られてしまった。

「誰から電話? 知りたいにゃん」

 妹がふざけて体をすり寄せてくる。
 佐千子は胸の高鳴りが余計に増したように思え、アルバムを抱えて、2階にそのまま残されている自分の部屋へと上がった。
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