空しか、見えない
「応援していますよ。だけど、どうして急にそんな話になったのか、それもいつか聞かせてほしいんですよ。体育の教師として、訊きたいのかな。自分の教え子たちも、いつかそんなことを考える子らが出てくるなら、何だかうれしいじゃないですか」

「ええ、だったら、いつか、お話します」

 吉本は、コーヒーを飲み干すと、もうひとついいですか? という風にサンドイッチをもうひと切れつまみ上げ、芙佐絵に笑みを送った。
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