おもいでぽけっと
シートを引いたところに向かっていると遼基が言った。


「そういえば虎太郎は?荷物番でもしてんのか?」


ドキッ…


…虎太郎…戻ったら気まずいなぁ…。


『なんであんなこと言ったの?』なんて聞けないし…。



「柚子!」


「何!?」


「何って…俺の話聞いてたか?虎太郎は荷物番してんの?」


『虎太郎』って言葉に反応しちゃって返事し忘れてたよ…。


「ごめん!考え事しちゃって…。虎太郎は荷物番してるの。

あっ!あそこだよ!」


あたしは虎太郎を見つけたので、その方向を指差した。


「ほんとだ!いるいる!虎太郎ー!!」


遼基は叫んだ。






< 104 / 138 >

この作品をシェア

pagetop