おもいでぽけっと
ちらっと虎太郎のほうを見ると、いっぱいいる人の間からあたしを見ていた虎太郎とまた目が合ってしまった。



虎太郎の口がゆっくり開いた。



「柚子?見間違いじゃなかったんだ…。」


し…しまった!!


逃げなきゃ!



「紗那…あたし、担任のとこ行ってくる。」


「いってらっしゃ~い。」


あたしは廊下へ走った。


教室を出るとき

「柚子っ!ちょっと待て!!」

と虎太郎の声が聞こえたけど、あたしは廊下に出た。



逃げるのに必死だった。



この学校には1年以上通ってるしちゃんと構造もわかっているのに、


行き着いた先は…


行き止まりだった。




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