かくれんぼ - 大人になりきれない大人たち -
「でも使いづらくてさ」
「何で? 親父さんが美来の為に貯めといてくれたんだろ」
「そうだけど」
「甘えさせてもらえば? そうすればキャバクラの仕事も辞めて、大地の傍にいてやれる」
「仕事は辞めらんないよ」
「美来、今のままじゃ体もたねーだろ」
「でも こんなお金、いつまでもあるものじゃないよ? その先はどうすん…」
「それはその時に考えればいいじゃん」
「…」
正紀の言葉に私は小さくため息をつく。
正紀のことだから、そう言うと思ってた。
「…ねぇ。正紀は、どう思ってるの?」