かくれんぼ - 大人になりきれない大人たち -

女の子たちの黄色い歓声。

私はその名前にゆっくりと振り返る。

そこには人だかりができていた。

その中心にいる人物、それこそが私の会いたかった…。




「すごい人気だね~、正紀」

「みたいだね」

ゆかりの言葉に、私は興味のないフリをした。

本当は興味ありありなのに。




「…あれ?」

関心なくその横を通り過ぎようとした瞬間、彼が顔を上げた。

「美来?」

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