かくれんぼ - 大人になりきれない大人たち -

シンプルだけど、正紀にはよく似合ってる。


「あったけ~♪」

「大地が選んだんだよ」

「大地が? ありがとな」

正紀は微笑んだ大地の髪をクシャッと撫でる。

「美来もサンキュ」

「うん。あと…」

「ん?」

「この間はごめんなさい。言いそびれてズルズル来ちゃったけど」

私は小さな声でそう呟いた。

「ああ、あれは俺が悪いんだよ。美来が謝ることじゃ…」


 ~♪


私が口を開こうとした瞬間、携帯の着信音が鳴り響いた。

< 157 / 258 >

この作品をシェア

pagetop