かくれんぼ - 大人になりきれない大人たち -
シンプルだけど、正紀にはよく似合ってる。
「あったけ~♪」
「大地が選んだんだよ」
「大地が? ありがとな」
正紀は微笑んだ大地の髪をクシャッと撫でる。
「美来もサンキュ」
「うん。あと…」
「ん?」
「この間はごめんなさい。言いそびれてズルズル来ちゃったけど」
私は小さな声でそう呟いた。
「ああ、あれは俺が悪いんだよ。美来が謝ることじゃ…」
~♪
私が口を開こうとした瞬間、携帯の着信音が鳴り響いた。