かくれんぼ - 大人になりきれない大人たち -




ザワッ…


電車を待つ人で混雑する駅のホーム。

そんな雑踏の中でも、私の言葉は確かに彼に届いたはず。

だけど正紀の反応はない。






「ハハ…、真紀に変なことふき込まれた?」


正紀は複雑な表情で私を見つめる。

まるで私の言葉を覚悟していたみたいに。




「そうじゃないよ」

「じゃあ何でだよ?」

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