かくれんぼ - 大人になりきれない大人たち -


あまりにもあっけらかんと答える正紀に、私はブチ切れた。


「やめたって、そんなワケにいかないでしょ? 何やってんのよ!」

「まあ 落ち着けって」

「落ち着いていられるワケな…」

「やっぱ 楽してメジャーになってもロクなことないかなって」

「は?」

「音楽はこの街でもできる。でも美来と大地はここにしかいないだろ?」




正紀は照れたようにそう言い、私の体を引き寄せる。

正紀の香り、正紀のぬくもりだ…。






「あんな嘘、信じると思ってるのか?」

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