かくれんぼ - 大人になりきれない大人たち -


ザワめく夜の街。

その雑踏の中で私は感情を失くしたように歩いていた。

大地が眠ったのを確認して、近所のコンビニに少しだけ買い物。

…のつもりが、何だかダラダラと街をフラついてしまってる。

さっきのお姉ちゃんの言葉を、グルグルと頭の中で考えながら。




「なぁ、姉ちゃんってば~!」

「暇じゃないっ!!」

「す、すみませんっ」

一目散に姿を消すナンパ男。

なんて時代遅れなナンパなの?

" 姉ちゃん " って!!

そんな誘いに引っ掛かるほど私はバカじゃ…。



ふと顔を上げた私。

その視界に見慣れた顔が飛び込んできた。

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