黄砂の降る町


「……私も、そうかも」

「おばちゃんも? 

かせきほりしてるの? 

なにみつけた?」

「いや、ゲームじゃなくてね」


笑って否定していると、彼の伯父さんが「こら、おねえさんだろ」と叱る。


「いいの。この子から見たら、おばさんですもん」


そういって、少年の頭を撫でてあげる。
生意気だった少年は、嬉しそうに一回りする。


ああ。

今日は最悪の日だと思っていたけど、この子に会って、少し気分が晴れたみたい。


黄砂だらけの町は、宝物が隠されてる町だと思えばいい。

これから、そーっとそーっと掘り出せば、

私も見つけられるかも知れないもの。

とりあえず、私を浮気相手とまでこきおろしたバカ男とは手を切って、もう少しだけこの町に希望を持ってみよう。


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