貧乏お嬢様と執事君!


利発そうな娘は特に気にした様子を見せなかった。


どうでもいいという代わりに、娘は見下すような態度を二人の前で見せつけていた。


ちらちらと元気な娘と父が遊んでいる姿を見ることもなく、一人で勉強をしていた。


なのに


『すごいぞ!またお前は百点か!』


『すごいでしょ!』


いくら勉強をしても姉には勝てぬまま。


娘は後ろ手に90点のテストを隠し、薄い唇をかんだ。


勉強をしていない姉に負けるのが、プライドの高い彼女にとっては拷問にしかなかった。


< 193 / 333 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop