貧乏お嬢様と執事君!
利発そうな娘は特に気にした様子を見せなかった。
どうでもいいという代わりに、娘は見下すような態度を二人の前で見せつけていた。
ちらちらと元気な娘と父が遊んでいる姿を見ることもなく、一人で勉強をしていた。
なのに
『すごいぞ!またお前は百点か!』
『すごいでしょ!』
いくら勉強をしても姉には勝てぬまま。
娘は後ろ手に90点のテストを隠し、薄い唇をかんだ。
勉強をしていない姉に負けるのが、プライドの高い彼女にとっては拷問にしかなかった。