貧乏お嬢様と執事君!


輝樹には二人の愛娘がいた。


一人は利発そうな目つきをし、いかにもお嬢様といった感じで腰に手を当て、いつも下民を見下すようなイメージをだしていた。


もう一人の姉は四六時中ニコニコと機嫌よさそうに可愛らしく頬を緩めていた。


対照的な娘に囲まれ、輝樹は戸惑いながらも二人の相手をしてやろうとした。


利発な娘は


『お父様と遊ぶことなんかなにもないわ』


と父の愛を突っぱねた。


もう一人の可愛い娘は


『遊ぼ!何する?貧乏ごっこ!?』


楽しそうに父に飛びついた。


どっちを可愛がってきたことは言うまでもないだろう。


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