貧乏お嬢様と執事君!


「お疲れ様。おばさんたちジュース買ってあげるわ」


「そんなことしなくてもだい」


「ありがたく頂きます!」


椿野の否定を無理やり鷹司は肯定に塗りつぶした。


おいおい………と思いながら、後ろの女子生徒たちに目をやると


「ジュース………缶ジュースのことかしら」


「飲んだことないわ………」


「でも一回飲んでみたかったのよねー!」


わいわいと未知のジュースに期待を膨らませていた。


缶ジュースを未知扱いする女子にまた気づくことなく、おばさんたちは青いベンチの隣のポスト色をした自販機に小銭を大量投入し


「どれがいいの?」


「オレンジ!」


一番先に答えたのは、やはり鷹司だった。




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