貧乏お嬢様と執事君!
『どうしたの上がった上がった!』
『あっうん………』
あんなに行きたがっていた女子生徒は家になかなか上がろうとしなかった。
『遠慮しないで!』
一人の女子の腕をつかみ、無理やり引き込むと続々とその後に続いた。
傷だらけのコンクリート玄関を上がると、人間の重みに耐えきれず悲鳴を上げる年季の入った床。
普通の家の半分もない廊下。
蛍光灯のようにちかちかしている裸電球。
マンガとかでしか見たことないちゃぶ台に、綿のはみ出た座布団。
ある意味、お嬢様の彼女たちにとっては驚きの連発だった。
『………私の家のトイレ並みのリビングですわ』
『ここ家?倉庫じゃないのかしら………』
ひどいことを連発するお嬢様がたである。