貧乏お嬢様と執事君!
『ちょっとー!カイトー!お茶-………聞こえないのかな』
よっこいしょ、と腰をすぐ上げながら鷹司はノレンをくぐりながら台所へ移動した。
『………嘘、だよね』
『そうよ!ここは倉庫で、きっと鷹司さんは私たちを騙しているのよ!』
『なっとくー』
先ほどまでのうるんだ笑い声はどこへやら。
冬の空気並みに乾いた笑みが居間中に広がっているとき、突然家(倉庫?)の古いドアが音を立てた。
ビクッと肩を震わしているうちにその人物の立てる荒い足音は、どんどん近付いてくる。
数秒後、ぬっとぶつからないように頭を下げながら入ってきた草まみれの男が。
『きゃあああ!』
突然現れた巨人&草まみれの男に悲鳴を上げる女子。
その中で鷹司だけは、全くの無反応。