屋上教師
「………別にいいよもう」
だから離せ、目で訴えかける。
私の訴えを、検事のように無視して
「じゃっ補習しようぜ」
そう言って、力を入れて引っ張る。
強引に椅子に座らされた。
適当に転がっているぼろい椅子を持ってき、私の目の前に陣を構える安葉。
朝見たばっかの宿敵数学の教科書を、雑に落書きだけの机に放り投げる。
ルーズリーフもおまけで。
「だからやんないって」
「だからやったほうがいいって」
だから返しをされ、黙り込む私は安葉の鋭い視線で射抜かれた。
「俺はいいけど、ほかの教師がうっせーだろ?
一教科だけでもできるようにしとけって。
俺一応ほかの教科もできっから」