屋上教師
「安葉先生」
「ああ、如月先生」
私は思わず、その登場人物に顔をしかめた。
生徒指導の如月。
私が何度も『お世話』になった教師だ。
如月はギトついた眼鏡を押し上げ、深海魚や宇宙人を見つめるような仕草で私を見た。
「なんだ。不良の沢村じゃないか」
ねちねちした言い方をする如月を睨む。
私の視線を気にすることもなく、如月は葉にくっついたガムのような視線を逆に返してきた。
「いまさら改心でもしたか?
だがまぁ。根っからの落ちこぼれのお前に今からそんなことしても意味ないと思うが」
「………落ちこぼれで悪かったな」
如月は私のいやみを鼻で笑う。
「悪くはない。
別に誰もお前のことなんて気にかけないしな」