LOVELY☆ドロップ

そう実感すると、今まで布団に包まり、あたたかだったあたしの体が一気に冷えていく。



「ごめんなさい!!」


あたしはやって来た恐怖から逃れるため、敷布団から降りて畳におでこを擦(コス)りつけた。

謝ったって許してはもらえないだろうけれど、それでも何もしないよりはずっとマシだ。


「ごめんなさい!!」

ありふれた謝罪をもう一度、口にした。


「おねいちゃん? どうしてパパにあやまってるの?」

女の子は突然畳の上で頭を擦りつけ謝るあたしを見て不思議そうにしている。

それでも、あたしの丸まった背中を小さな手が撫(ナ)でてくれた。


まるで、謝らなくても大丈夫だよって、あたしを慰(ナグサ)めてくれているようだ……。


この子はなんて優しい子なんだろう。

そう思うと、言いようのない罪悪感と一緒にやって来たのは自己嫌悪だ。

自分の浅はかさに涙がでてくる。




……あたしはいつもそうだ。

いつもこうして感情に任せて行動する。

両親の反対を押し切って上京してきたこともそうだし、慶介との一件だってそうだ。

彼は自分との間に赤ちゃんができたから、あたしを捨てた。

そもそも、慶介はあたしがそんな性格をしているからいい愛人になるとつけ込み、不倫対象にしたんだ。



――そうだよ。

赤ちゃんのことだって、もっときちんと考えるべきだった。


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