短編集~The Lovers WITHOUT Love Words~
出会いは、大学のオチ研だった。
オチ研(落語研究会)といっても、私たちの会は当時流行りだしていたお笑い全般を網羅していて、どちらかというとワラ研と呼んだほうが良かったかもしれない。
一応高座名も与えられたが、同期の私たちはなぜか
『デコ山ボコ男&デコ美』
などという、しょうもないコンビ名を与えられ、漫才コンビを結成させられた。
「このアンバランスがいいんだよ、お笑い的に」
名付け親の先輩がそう言った。
「ボコ男」と名づけられた彼は、一般男性の平均身長よりも拳一つ分、背が小さい。
そして「デコ美」と名づけられた私は、一般女性の平均身長よりも拳一つ分、背が高い。
見た目がデコボコというわけだ。
自然な流れで、その身長差を揶揄するネタが多かった。