短編集~The Lovers WITHOUT Love Words~

「惠一にぃに言われたとおり、世界を色々見てきたの」

戸口の灯りをつけただけの薄暗い部屋の中で、雪音の瞳がいっそう輝きを増した。

「ドバイは富豪の国だった。とにかく全てが豪勢で立派だけど、その国で一番きれいだったのは、金色の朝の太陽だったりする」

惠一は何も言わずに、雪音の独白を静かに聴いている。

「シエラレオネはね、世界で最も貧しい国の一つ。そこの子供たちは、ボロボロの服を着て、一生懸命働きながら学校に通うの。だけどね、いつもにこにこしていて、とっても幸せそうだった。その他にもね、いっぱい、いっぱい見てきたよ?ステキな場所が、たくさんあった」


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