短編集~The Lovers WITHOUT Love Words~
ついさっきまであんなに重たかった体が、すっと軽くなるのを感じた。
同時に、あの頃と同じ、ぬくもりを。
やっぱり、あなたの隣から私は離れられない。
優しさを感じて涙が溢れそうになったけれど、私は泣く代わりに
近くにあった新聞をつかむと、愛をこめて彼の頭をぶっ叩いた。
「タンメンじゃねぇ、チャーハンだ!」
(『お前に食わせるタンメンは、ねぇ』:完)