短編集~The Lovers WITHOUT Love Words~
「・・・怖いぃぃ」
暗い自分の部屋に戻ると、スミレは体を固くした。
スミレにしか見えない化け物が、まだ部屋の中にいるらしい。
榊はスミレをベッドに下ろそうとしたが、スミレは榊の首にしがみついて離れようとしない。
仕方ないので、そのままベッドに腰掛けると、スミレの温もりが残る布団をかけてやった。
「お嬢様、実は私」
震えるスミレの頭を優しくなでながら、榊は別の手でベッドサイドのランプシェードに手を伸ばした。
「友人に、アラジンという男がいましてね?」