ラブ＆トラップ

「よし。帰んぞ。」


「はい。」


ってゆーか、店長先に帰っててもよかったのに。


黙って店長の後ろについて歩き、従業員用通路を歩く。

防犯センターに従業員証を見せて、ちゃんと見ていなさそうな荷物検査を終えてやっと外空気に触れる。


空気が肌寒くて、思わず袖を伸ばして手を隠す。


よく考えればまたあの家に帰らなきゃいけないんだよなぁ。


いくらかずくんが帰ってこないといえ、もう自分の家だもんね。


「はぁ。」


私のため息が聞こえてたか、聞こえてなかったのかは分かんないけど、ため息のあとの沈黙を店長が破る。


「ちょっと飯付き合え。」


「はっ!?」


思わず即答で声が漏れる。