911の恋迷路
果歩は気が抜けて、ガクリと肩を落とした。
「ふふふ」
でも、笑いが込み上げる。
鏡の中のパンダは、涙で潤んだ目をしている。
それはそれで、ブサかわいい…かも。
「ははは、あ…ごめんなさい」
慎も吹き出して笑いだす。
(失礼なやつ~だけどさ)
果歩は恥ずかしさでうつむきながらも、笑いが止まらなかった。
肩の力が抜けて自然と笑いが込み上げてくる。
(何でだろう、うれしい)
恥ずかしいのに、うれしいのだ。2人は、しばらく笑い続けていた。