911の恋迷路

 
 果歩は気が抜けて、ガクリと肩を落とした。


 「ふふふ」

 でも、笑いが込み上げる。

 鏡の中のパンダは、涙で潤んだ目をしている。

 それはそれで、ブサかわいい…かも。


 「ははは、あ…ごめんなさい」

 慎も吹き出して笑いだす。

 
 
 (失礼なやつ~だけどさ)

 果歩は恥ずかしさでうつむきながらも、笑いが止まらなかった。
 
 肩の力が抜けて自然と笑いが込み上げてくる。


 

 (何でだろう、うれしい)

 
 
 恥ずかしいのに、うれしいのだ。2人は、しばらく笑い続けていた。
< 21 / 232 >

この作品をシェア

pagetop