先生とわたし
「明花と千華の学校があるから、父さんだけ向こうに行く。定期的には帰っては来るつもりではいるけど、居ない方が多いから、お母さんの事を四人には頼みたい。」
「…「はい。」」
「ありがとな。話はこれだけなんだ。千華、大丈夫か?」
「…うん。」
「祐輔くん、悪いけど向こうで千華に話して貰えると助かる。」
「分かりました。」
祐チャンと、私の部屋へ行った。
「…大丈夫か?」
「ううん。いきなり、転勤とか言われても…。」
「まぁな…。突然の転勤は、誰でも驚くからな。」
「…まだ、ちゃんと進路の話してないだ…。」
前に書いた希望調査書の時も、お父さんには話さずに書いちゃったし…。
「それは俺がちゃんと話すから。今、あの時貸した本あるか?」
「うん。ちょっと待ってね。」
ベッドから降りて、本棚から分厚い本を取り出した。
「はい。そういえば祐チャンが付箋紙付けてくれてたの?」
「いや。何か付いてたのか?」
「教師の資格がとれる学校に、付箋紙が付いてあったんだ。」
「へぇ~。まぁ、この本は学年のだから、他に教師を目指してるヤツでも居るんでしょ。」
「そうなんだ。って事は、これ早く返さないとダメ?」
「大丈夫。他にたくさんあるから、ちゃんと見て、気になった学校があったら、資料請求してもいいし、俺に言ってくれても構わないから。」
「うん。祐チャンの出身校はどこなの?」
全く教えてくれないし、今まで気にもしなかった。
でも今は、祐チャンと同じ大学に行きたいと思うようになった。