スピリット・オヴ・サマー
「どうした…?」
 憲治は「聖菜」の体を抱き止めた。痩せっぽちの小さな体が、なおさら小さく思える。
「この姿でいるのは、すごく『力』がいるんです…。」
 やがて「聖菜」は膝からくずおれそうになった。
「お、おいっ、どうした、『聖菜』!」
 憲治は「聖菜」の体を抱えながら、床にへたり込んでしまった。「聖菜」の息遣いは荒く、しかも、途切れがちになっている。
「もォ、もお、だめですゥ…。」
「な…、何がだっ?」
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