スピリット・オヴ・サマー
「…恋人って、こうやるなだがなァ…。」
 「少女」は独り言の様につぶやいた。
「わかんねぇ。」
 憲治もつぶやく様に答えた。
「俺、いねぇもん、そんなヒト。」
 再び沈黙。
 またつぶやき出す「少女」。
「おらぁ、久しぶりだァ。こんたに(こんなに)色々あったなァ…。それに、ヒトの心が、『記憶』でねえ生の心、感じでしまって…、」
 そう言うと「少女」は憲治の肩に顔を伏せて肩を震わせ初めた。
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