スピリット・オヴ・サマー
 突然沸き上がる愛しさに戸惑う憲治。この美しい、ヒトならぬモノがひどく愛しい。許されぬ惟いであろうことを覚悟しながら、憲治は「少女」を見つめた。
「…ごめん。」
 憲治はつぶやくと、「少女」の肩をそっと抱きしめた。一瞬、驚いたように顔を上げる「少女」。だが、すぐにまた俯いて言葉を紡ぐ。
「…罪は、認めてから初めて罪になる、そして、それは償うものではなく、背負って生きるもの。あんだ、早ぐ、罪を一緒に背負ってくれるヒト、見つけねば駄目だァ…。」
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