スピリット・オヴ・サマー
 奇麗だと思った。
 中学生の頃、同級生の水着姿にドキドキした感じ。その気持ちに一つ間をおいて落ち着いて眺めれば、まだまだ子供なのに、これから女に、母親になろうとする「一生懸命」な感じがして、何だか微笑ましい美しさに、先程までの心の重さがほぐれ思わず口元が緩んだ。
「…あーあ、まぁだエッチな目でおらどご見でるゥ…。」
 「少女」はあきれた様な、あきらめた様なため息を漏らした。
「イイだろ、減るもんじゃなし。俺の寿命減らしてる分、それぐらい許せよ。それに俺は誉めてるんだぞ、『イイ体だ』ってさ。」
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