~氷の姫~壱 動き出した運命
「何も言わないで、聞いてくれないか?俺は…逃げないから…」


一呼吸置いて…力強い瞳で前を… ウィルを見据えるカイトに迷いはありませんでした。



「あのさ…ウィル…いや、ウィザード………お前が父さんと母さんを殺したんだと聞いた時……正直…許せない!と思ったんだ…」


途切れ途切れに話すカイトをアリスは後ろ手を握り…必死にカイトを応援していました…



「でも…アリスに言われて考えたんだ…確かに…父さんと母さんの事は無かったことには出来ないけど…今の俺があるのは…他の誰でもない…ウィルのおかげなんだ…」



「……………」




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