ずっと…
涼弥の写真集を出すことが決まってから、約一ヶ月後。
初めて柊棗と会う日が訪れた。
涼弥は、事務所で社長と柊棗を待っていた。
(緊張する…。)
“ガチャ”
事務所の扉が開いた。
「こんにちはー!!柊です!!」
そう言って入って来たのは、どっからどう見ても、160くらいの小さな少年だった。
(えっ…小さい。)
「遅れてもーてすんまへん。」
「全くだ、2回目はないぞ。」
社長がキッと睨んだ。
でも、柊は「はいはーい」
と、軽く返事をしただけだった。
その返答が気にくわなかったのか、社長はイライラしだした。
(社長に対してあの対応…すごい。)
「早速だが、私がここの事務所の社長、晃(アキラ)だ。
隣にいるのが、「涼弥!」」
社長が涼弥の名前を言う前に、柊が叫んだ。
「わざわざ紹介してもらわんでも知ってるで!
俺は、アンタをずーっと撮りたかったんやさかい。」
そう言って柊は、涼弥の方を見た。
その顔は、キラキラ輝いていた。
涼弥は、思わず顔を反らしてしまった。