森林浴―或る弟の手記―




香保里は自分の生い立ちと、外見を恨んだのでしょう。


そして、その矛先を有らぬほうに向けた。


それが、佐保里姉さんでした。


美しく全てを兼ね備えた佐保里姉さんを貶めることに決めたのでしょう。


ここからは少し、私の想像も入ります。


まず、佐保里姉さんに自分は可哀想な子供だと主張する。


そして、少しだけ、自分を優位にして欲しいと懇願する。


優しい佐保里の姉さんのことです。


それをすんなりと受け入れたのでしょう。


そして、ろくに家を出ない佐保里姉さんが完成したのです。


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