Honey×Kiss*幼なじみは王子さま

「あうっ。ほっ……本――(楓くん、待ってください)」



ドンッ…



手を引かれるまま階段を上ろうとした先に楓くんから、肩を強く捕まれ壁へピタッと背中をくっつける形に。


怪訝そうに眉を寄せると低い声が言葉を繋ぐ。



「お前、梓のこと好きなわけ…?」



思ってもみないことをきっぱりと問われ私は言葉を失う。



えっ?私が梓くんを……?

どうしていきなりそんなこと言うんですか?

私……梓くんのことが好きな態度を取ってたんですか?



真っ白な頭に浮かぶ疑問を心にぶつけては嘘か真実か。


それさえも曖昧になる。



「梓くんのことは……。好きですけど、それは……」



それは――…??


どっちの好きなんでしょうか。


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