Honey×Kiss*幼なじみは王子さま

"幼なじみ"としての好き。


"恋愛対象"としての好き。


二つの答えが何度も素通りしては、言葉を濁す。



「愛生は……オレの彼女だよな。例え嘘の付き合いでもオレは、本当の彼女だと思ってる」

「……」

「だから…梓の前でそんな楽しそうに笑うなよ」

「か、楓くん、は…私のどこがいいんですか??」

「ん…。よくわかんねぇ。ずっと小さい時から好きだったから…。あえて言うならネコみたいに、気まぐれな所」

「う"…」



いきなり乱暴なことを言い出したかと思うと二言目には楓くんらしくない弱々しい台詞を吐き、そのまま痛いくらいに抱きしめられた。



「それと髪長いし、ドジだから見てられない所とか」



肩口に顔を埋められ抵抗もできなければ、反抗する言葉も見つからない。


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