Honey×Kiss*幼なじみは王子さま

傷つくココロ


その日の午後。



「愛生~。お隣りの永瀬さんの家にこれ持っていってちょうだい」



階段の下から呼ぶお母さんの声に気づいて私は読みかけの本を閉じた。



「今行ったらいいんですか?」

「ええ。お願いね」



下りるなりお母さんから渡された回覧番を手に取って数秒もせずに梓くんの家へ。



ピンポーン



「はい…って。愛生か」



扉を開ける梓くんがため息を間でつく。


私は今だに二人の家へ用事がある時に。


上がる時に必ずチャイムを鳴らす習慣が身についてるのです。


それを二人はしなくていいと言ってるのだけど、身についた習慣は体から放れなくて……。


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