Honey×Kiss*幼なじみは王子さま
「改まってお礼言うほどじゃない。幼なじみなんだから当たり前でしょ。……いや、幼なじみでもいくらこんな時にまではしないか」
途中で訂正しながら言う梓くんを見て私は何を言い返したらいいのか。
どんな返答が適切なのかを考えていた。
「……梓くんは優しいですから。幼なじみの私が熱出してもお見舞い来てくれるんです……」
「その言い方からすれば…楓は優しくない、って言う風に俺は解釈したらいいわけ?」
有り難みを込めた気持ちで言ったはずの言葉。
別に楓くんが優しくないって言ったのではないのに、文章力がない私の言い方のせいで、つい別の意味で梓くんに勘違いをされてしまい下唇をぎゅっと噛み締める。